
アイドリングストップ車には専用のバッテリーが搭載されています。今回は、アイドリングストップ車に専用バッテリーが必要な理由についてご紹介させて頂きます。
専用バッテリーが必要な理由
車が信号待ち等で停止する度にエンジンが停止し、発信の度にエンジン始動を繰り返すアイドリングストップ車は、エンジン始動、停止時に通常車に比べバッテリーにかかる負荷が大きくなります。このため、アイドリングストップ車には専用のバッテリーが搭載されています。
負荷が高くなる原因
エンジン始動時
エンジンはセルモーターを回し始動します。セルモーターを動かすためには大きな電流が必要になります。この始動が頻繁に繰り替えされるためバッテリーにかかる負荷がアイドリングストップ搭載車以外に比べ高くなります。一般にモータは始動時に高い電流が流れます。電流が高くなると電圧降下が発生し、バッテリー容量が不十分だと十分に電流を供給できなくなりエンジン始動ができなくなります。
停止時
バッテリーにかかる負荷はエンジン始動時だけではなく、停止時も負荷がかかっています。エンジン停止時は標準装備されているエアコン、カーナビゲーション、ドライブレコーダー等の電力を必要とする機器への電力供給によりバッテリーには常時負荷がかかっています。エンジン停止中は、発電機が停止するため、全ての電力をバッテリーが供給します。このため、走行時に十分な充電を行える充電速度の早いバッテリーが必要になります。
通常バッテリーの違い
充電性能が高い
見た目の形、サイズは同様ですが、アイドリングストップ車専用のバッテリーと通常のバッテリーには違いがあります。アイドリングストップ車専用バッテリーは、充電が早く回復する様に設計されています。停止、始動を繰り返すアイドリングストップ車では、早く充電を行わないと充電が不十分になり電力不足が起きるためです。アイドリングストップ車に通常車用バッテリー(アイドリングストップ非搭載車用・充電制御車用)を使用するとカーバッテリーの寿命が極端に短くなります。
耐久性が高い
アイドリングストップ搭載車専用のバッテリーは、充電、放電が通常車に比べ多くなります。このため、繰り返し流れる電流に耐えられる部品が採用されています。
蓄電容量が多い
頻繁なエンジン始動でも電圧降下が起きない様、また、停車時にエアコン、オーディオ等に安定的に電力を供給できる様に専用バッテリーは蓄電量が大きく設定されています。
【アイドリングストップ車用】の型番・記号
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記号の意味 | 内容 |
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外形寸法区分 | アルファベット1文字でバッテリーサイズを表示しています。 対応一覧 ・B19:K ・B20:M ・B24:N ・D23:Q ・D26:S ・D31:T |
性能ランク | カーバッテリーの性能ランクを表す数字で、数字が高ければ高いほど始動性能が高くなり、容量が大きくなります。50未満は2刻み、50以上は5刻みになります。 |
端子位置![]() (L・Rの2種類) |
バッテリーのプラス側短側面からみて ・+端子が左側にある場合:Lタイプ 型番の末尾にL・Rの記号が表記されていない場合はLになります。 ・+端子が右側にある場合:Rタイプ |
まとめ
いかがでしたか。今回は、アイドリングストップ車専用バッテリーについてご紹介させて頂きました。通常車用のバッテリーも装着できますが、アイドリングストップ車には必ず専用バッテリーを装着する様にしてください。